このレビューはネタバレを含みます
めちゃくちゃ好きな題材なのですが、
物語としては想定の範囲内だったというか。
(私は9人の相談者のストーリーよりも、
謎の男がどうなってしまうのか、メンタル大丈夫なのか、とか謎の男の方のストーリーに惹かれました。)
試写後のトークショーでのお話しの中で
なるほどと思ったところはありました。
・天使(アンジェラ:カフェ店員)が堕天使(カフェにいる謎の男)を救済するというメタファー
・りんごを食べるという意味(りんごは愛、欲望)
・監督は9人の悪魔を描いている(プレスより)
確かに、カフェに頼み事をしにくる登場人物達は皆、欲望の塊で、罪深い罪人であり、悪魔のようです。
例えそれがどんな願いであっても。
それがこの作品を通して、残酷なまでに浮き上がってくる。
私は、人間は残酷で醜い生き物である、という事を知って(思って)いるので、よくぞ描いてくれました！！という感じ。
ぜひもっとこういう作品を世に送り出してほしい。
人間がいかに醜く、欲望の塊で出来ているモンスター“怪物”なのか。
この作品を観れば分かります。
トークショーゲストの鏡リュウジ氏、
願い事をするなら？の質問に対してのアンサーが
「欲望をなくして」と。さすが。
皆がこういう答えならばね。
