Kororin68

教誨師のKororin68のレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.5
現役牧師として、教誨師になるのは簡単ではなく、「悔い改め」や「赦し」などを安易に語っても伝わらない、ぐらいの予備訓練は受けなければならない・・・と聞いています。
ただ、この映画では、経験値を重ねながら、教誨師として求められている立場に気づいていくわけで、とても好ましい。
教誨師に限らず、刑務所のこっち側にいても、「悔い改めましょう」「祈りましょう」「赦されます」って言って(済む場合もありますし、そういう言葉に慰められる人もいますが)、全く伝わらない・・・ますます、距離感を持ってしまうことは多い。
それでも、「逃げない」「寄り添いたい」「『悔い改め』とか『神の御心』とかではなく、あなたの話を聞きたい。あなたの穴のそばにいたい」と言い、「あなたに出会えたことを神に感謝している」と(心から!)伝えることが、牧師という召命を言い換えているなぁと。
聖書の神そのものが、イエスにおいて、「私たちとともにいる」ことを体現してくれた神なのだから。

最後の、あの仮名書きのことば。
あれも、グッときます。
聖書が「人はだれをもさばくことは出来ない」って言っているのだからね。

オススメです。
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