くりふ

ピラニアのくりふのレビュー・感想・評価

ピラニア(1978年製作の映画)
3.0
【コーマンに毛が生えたくらいの】

初見はビデオだったか?アマプラ見放題でわいたので。どんな感覚か思い出したくなり。

“柳の下の鮫”は、いまだ懲りずに作られていますが、アニパニ映画でまだ客を呼べた1978年、ピラニアで狙ってみた一本。ロジャー・コーマンのニューワールド・ピクチャーズ製作というのが面白い。それなりに狙って作ったことが伺えます。

『コーマン帝国』でも語られましたが、『ジョーズ』がメジャースタジオのゲテモノ映画でも集客できると証明してしまい、低予算コーマン映画の居場所がなくなってゆくのですよね。

コレ元々、製作の筑波久子が企画をコーマンに売り込んだのかな?ジョー・ダンテを抜擢したのは彼女らしいけど。で何と!本家『ジョーズ2』と同じ年の公開とは!まさに“柳の下のピラニア”商法だけど、実際、ちゃんとヒットを飛ばせたようですね。

いま見ても湧くのはああ、このコーマン感!というノスタルジーだけだが、当時のコーマン映画としてはそこそこ挑戦作だったと思います。

脚本はジョン・セイルズ、SFXはロブ・ボッティン、フィル・ティペット、クリス・ウェイラス等で、精緻なモデルアニメも登場する。音楽も美麗すぎるピノ・ドナッジオ。ゲスト的扱いだが、要所でかつてのホラークイーン、バーバラ・スティールも出演している。

ナニこの豪華メンツ!ですが、仕上がりはやっぱりコーマン映画!としか成らないのがフシギで、感慨深いモノさえありますね…。

お話は、ベトナム戦争の副産物、死の兵器を前にやらかすバカのバトンリレーですね。

処分せず放置するバカ

強化育成するバカ

不法侵入して解き放つバカ

広まるのに止めないバカ

止めたと嘘つくバカ

…上記リレーに分類できぬ阿呆行為も含め、やがてバカのパンデミックと化してゆきますが…コーマン映画だから、バカに頑張ってもらわないと、破壊力は最大化しないのでしょう。

肝心のピラニア軍団は、恥ずかしがり屋なのか知らんけど、殆ど画面に顔を出しません。あんこの少ないたい焼き的な味わい。

実は、パペットマペットが下積み時代の仕事で、魚のフリして噛みついてました!と言われても信じちゃいそうだ。

ティペット以外の豪華SFXメンバーが何処に投入されたのか、ナゾです。

水辺の話だし、おっぱい豆乳いや投入度はそこそこ。主演女優のポロリは代理乳でしょうが。

個人的に、飛び抜けて輝いていたのは主人公の幼い娘役、シャノン・コリンズちゃん。中性的で少年にも見える。『ぼくのエリ』のあの役できそう。残念ながら演技はできなかったのか、その後は活躍していないようですが。

彼女、ピラニア軍団を一瞬で殲滅させるビーム出しそうな、後光さしてましたよ。

<2023.12.2記>
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