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ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

こんなに切なく落ち込むドキュメンタリーは初めて。彼女の歌声が美しすぎるから余計に切ない。奇しくも見たのが命日の次の日だった。

ほとんど包み隠さず、よくこんな2時間でまとめたなと思う。彼女の人生と並走してその時アメリカで起きてたことも垣間見える作りになっており、なかなかヘビー。
編集が良かったけど、児童虐待のシーンで加害者と思われる人のパフォーマンスシーンを挟むのはえぐいと思った。

特殊な家庭環境で育ち、激しめの指導をする両親のもと育ったから、自分では平和な普通の家庭を望んだ。でも彼女の才能と環境がやっぱり普通じゃなかったから普通でいられなかった。
ただ歌いたかっただけのはずなのに、周りの環境が悪過ぎた。彼女をサポートする人もいたんだろうけど、邪魔する人も同じ数またはそれ以上いたんだろうな。
隙間で挟み込まれるバックステージのシーンから、歌うことは好きだったんだろうなというのが感じられた。ちょっとした隙間や会話中でも歌を歌うホイットニーが、呼吸するように歌を歌っていたホイットニーが、晩年ほとんど歌う機会がなかったのが辛くて、お金のために応急処置的に出たツアーや映画よりも、順序追って歌のトレーニングからできなかったのかなとか思ったりした。サポートする人はいたけど、正しくサポートできる人がいなかったのかな、もしくは彼女が気難しすぎて言うこと聞くような状態じゃなかったのかなとか想像する。決別してしまったロビンは結構まともで大切な存在だったのではと思う。

「I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」では二人三脚でキーマンとして出てたクライヴ・デイヴィスが、本作では全然出てこなかったのが意外だった。
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