ヨダセアSeaYoda

ホワイト・ボイスのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)
3.6
観た回数:1回
直近の鑑賞:Amazon Prime(20.06.05)
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思ってたんと違う!!
けど面白かったです。


【STORY】
 金のない黒人カシアスは、始めたコールセンターのアルバイトで "白人声" を使って神がかった営業成績を稼いでいく。
 自分を偽り友から離れ、1人突き進む "幸せ" への道は、果たして本当に "幸せ" なのか…?


【原題】
 原題は "Sorry to Bother You"。
 「お取り込み中失礼します」的な、営業電話における冒頭の挨拶です。


【予想と違った面白さ】
 予想とは異なるタイプの皮肉・面白さがある独特の作品でした。

 邦題のせいもあり、『ドゥ・ザ・ライト・シング(1989)』や『ブラック・クランズマン(2018)』、または『ゲット・アウト(2017)』のような作品だと思って観たのですが、だいぶベクトルが違いました。笑


【幸せ・成功とは?】
 ステレオタイプに嵌められてラップを強要されるなど、黒人に対する偏見を扱う作品ではありますが、
主軸は偏見・差別よりも「搾取を伴うビジネスにNOを掲げ、財力最優先の "幸せ・成功" 論を笑い飛ばす」ところにありました。

 自分を偽って(白人声を出したりして)掴んだ成功を喜べるか?
 友や恋人を裏切って1人掴む財力に価値はあるか?
 人々から搾取するようなビジネスで稼いで、胸を張れるか?
 今のお前は、お前として生きられているのか??

 流されるままに進んでいくカシアスが直面する上記のような疑問は、現代社会を生きる様々な人々に投げかけられているように感じました。


【そして思わぬ方向へ】
 そして、話は思わぬ方向へ進みます。あくまで現代社会への提言でありながら、誇張した描写はどこかコミカルで笑いも誘います。
 お粗末なCG?特殊メイク?も少々滑稽で愉快ですね。笑
ヨダセアSeaYoda

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