エアール

告白小説、その結末のエアールのレビュー・感想・評価

告白小説、その結末(2017年製作の映画)
3.3
めまいを引き起こすフィクション…
いったい”彼女”は何者なのか?


ロマン・ポランスキー監督 × 奥様のエマニュエル・セリエ × エヴァ・グリーン共演でおくるスリラー作品になります。

デップ主演のナインスゲートを観た時のことを
ーー作品に若かりしセリエが出ていて
物語のキーを握る役でもあったし、何よりその美貌に痺れたのを
思い出しますね〜
にしても亡くなったシャロン・テートといい、
ポランスキー監督の奥様たちは
ほんと高水準、笑


さて
著名な人気作家とその作家の熱烈なファンが織りなす…、と
ここだけ聞くとね〜ミザリーが頭を過ぎりますね〜
ジェームズ・カーン × キャシー・ベイツの傑作ですけども。。
たしかにおっかないには違いはないですが
本作はまたちょいと
タイプが違いましてね、笑


スランプに陥っている、人気作家 デルフィーヌのサイン会に現れた
あなたの熱狂的なファンだと称する、
どこかミステリアスな女性 エルとの出会いがすべてのはじまり。

ゴーストライターを仕事にしている彼女、
物書きに対する苦悩とやらが共感できたり、共通点も多く、
聞き手上手で、会話も弾み、
次第にエルに対して信頼を寄せるようになるデルフィーヌ。
なんでも腹を割って話せる間柄にまでなり
さらには偶然なのか
彼女は通りを挟んだ向かいのアパートに住んでいることも発覚。

部屋の持ち主が海外に行っていて
その間部屋を借りているらしいのだが、
突然持ち主が帰ってくることになり
新居を見つける間居候させて欲しいということで
同棲生活もスタートしちゃう。

気が散漫になり
新作の出だしがなかなか書き出せずに苦戦するデルフィーヌ、
彼女が新作に集中できるようにと
献身的に彼女に尽くすエル、
執筆には静寂と孤独が必要なの、と
彼女たちは田舎の別荘へと向かい
そこで執筆活動に励むこととに。

その道中
エルの壮絶な過去の体験を聞いたデルフィーヌは
彼女に関する告白小説を書くことを決心。
彼女からもっと話を聞き出そうとするのだが、
時折不可解な言動を取っていたエルのそれが
ここにきてどんどんエスカレートしていき…


エル…あなたはいったい何者なのか、
感情の起伏が激しい彼女を
エヴァ・グリーンが時に妖艶に、時に狂気に満ちた芝居で
魅せてくれます。

それからデルフィーヌに届く
辛辣な内容の差出人不明の手紙や突然の無言電話、
覚えのないSNSアカウントやネット中傷
一部ファンからの嫌がらせなのか、
別荘生活がはじまり日に日に体調が悪くなってゆく、
隠された物語も…


オチががまんまだったのが
残念でしたけれど
ほんでもセリエとグリーンの芝居は
観ても損はないかと思うので
好きな方は是非とも!!
エアール

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