かくわ

21世紀の女の子のかくわのレビュー・感想・評価

21世紀の女の子(2018年製作の映画)
4.0
女性監督15人による各8分のオムニバス作品。
好きな監督が参加している事も鑑賞の理由の一つだけど、「女性監督15人」に興味を持ったことは紛れも無い事実であって、本作の狙っている部分と思いきや、プロデューサーの山戸監督はそれに対して否定的。

「○○女子」や「女○○」、「JK」、「かわいすぎる○○」など、「女」を売り物にする事へのある種の挑戦。
まぁ、男の俺からすると「#Me too」みたいな女である事を武器にする風潮の方が嫌いだけど。

“女の子“、“女“、“女性“、“Girl“・・・
様々な形容がある中で“女の子“、そして“21世紀“をタイトルに選んだのは面白いなと。
山戸監督が「100年も観られたら」と言うのは“21世紀“を意識?

前置き長くなったけど、内容に。
15作品もあると、好きな作品・苦手な作品も当然あるわけで、けれどどれも同じテーマと同じ尺でこんなにも違うのかと驚き。
めちゃ面白い。

2回目見たいと思う作品や、パンフを読んで再チャレンジしたい作品多数。
大勢の方に見てもらいたい作品です。

以下、印象に残った作品の感想。
(印象に残らなかった=つまらないではなく、俺の勉強不足による消化不良です。)

『回転てん子とどりーむ母ちゃん』
監督:山中瑶子 主演:北浦愛

本作のお目当ての監督です。
発言・発想が面白すぎて、ずっとトークショーで話を聞いていたいと思ってる。
パンフに書かれたコメントも面白すぎる。
15作品の中でも個人的には異色だなと。(監督本人はそう思ってないとのことだけど)
今度回転テーブル見たら思い出しそう。
回転テーブルって人格の比喩だよね?

『恋愛乾燥剤』
監督:枝優花 主演:山田杏奈

爽やか。こういう作品があって良かった。
「○にも奇妙な物語」な雰囲気は否めないけど、結局男は子供なんだなぁと。

『projection』
監督:金子由里奈 主演:伊藤沙莉

本作唯一の公募枠で選ばれた金子監督の作品。
生々しいと鑑賞時に思ったけれど、パンフ読んで納得。
伊藤沙莉さんが強い。

『君のシーツ』
監督:井樫彩 主演:三浦透子

見てはいけないものを見てしまった感。
内に秘めているものというか、そういうものが映像になるとエネルギー量がハンパない。

『セフレとセックスレス』
監督:ふくだももこ 主演:黒川芽以

タイトルがパワーワードすぎる。
関係の矛盾性や男と女の考え方の違いがなんか分かるなーと。

『粘膜』
監督:加藤綾佳 主演:日南響子

ちょっと自分の過去の思い出を思い出した。
過去にも未来にも、その人のことを知る人は大勢いても、自分しか知らないこと。
それの優越感かそれに近いもの。

『離ればなれの花々へ』
監督:山戸結希
出演:唐田えりか/竹内ももこ/詩歩

圧巻でした。
エンドロールを除くと本作が最後になるわけだけど、全てを体現した感覚。
結局女は女だし、女の子でいたいし女の子で終わりたい。(のかもしれない)

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松本CINEMAセレクト
上映後アフタートーク
山戸結希監督
坂本ユカリ 監督
山中瑶子 監督
金子由里奈 監督
竹内里紗監督

5人もの監督が集まるなんて滅多に無い。
山戸監督の熱量すごいし、こんなに喋る監督さんも初めて見たかもしれない。
全員の監督の話を聞いてみたい。

2019-029-009
かくわ

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