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チワワちゃんのhi1oakiのレビュー・感想・評価

チワワちゃん(2018年製作の映画)
2.9
自分が理解できない世代の物語を怖がる映画かと思ってたんだけど、そういうことじゃなかった。
個々のシーンを点で見ればカッコイイ/カワイイ/華やかだったりと、鮮やかな青春を描く様は見所であり魅力でもある。
ただやっぱりひとつの映画として面で見ると、明らかになっていく割とどうでもよく意外性のない事実を積み上げつつ、結局のところ誰も成長せずゴールも無い作品でもある。
中島哲也の『渇き。』やハーモニー・コリンの『スプリングブレイカーズ』、大根仁の『恋の渦』等のエッセンスを良くも悪くもMV調に並べた映画。いやほんと“良くも悪くも”なんだよな。なんつうかちょっと“古い”のかな。使い古された感じ。
“90年代終わりから00年代初頭の邦画”テイストな“カッコよさ”は嫌いじゃないんだけどね。もうそれが一周回って来てノスタルジックに感じられて良く見えちゃう時代なのか? 浅野忠信をキャスティングしてるあたり、ある程度そこも意識的にやってることなんじゃないかなとは思う。
シンガポールのアレとか、“ゴールドラッシュ”とか“自爆テロ”という比喩(になっているのかよくわからないけど)を空虚にそして意味ありげに振りかざしたり、突然哲学的な語りを始めたりと、手法も物語もとっ散らかってる印象。
それこそコレがMVなら“まぁうまくまとまってるよね”って感じだけど、コレ映画なんだよね。全然つまらなくはなくて飽きずに観れるし、キャストの演技は素晴らしい。でもやっぱり観終わった感想は“空虚だなー”って感じ。
もちろん『スプリングブレイカーズ』よりは遥かに見る価値あるけど、『渇き。』や『恋の渦』よりは劣る。
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