Nちゃん

チワワちゃんのNちゃんのレビュー・感想・評価

チワワちゃん(2018年製作の映画)
4.1
ある若者グループのマスコット的存在で「チワワ」と呼ばれていた女性が、バラバラ遺体となって東京湾で発見される。
チワワの元彼や親友など残された仲間たちは、それぞれがチワワとの思い出を語り出すが、そこで明らかになったのは、チワワの本名も境遇を誰も知らないまま、毎日バカ騒ぎをしていたということだった。


チワワを殺した犯人やなぜ死んでしまったのかという疑問は解決されないが、なぜかモヤモヤは残らないそんな映画。

門脇麦が語り手で、事件後当時のチワワをたどっていく様子で描かれている。
狙ってもいないのにチワワの素質からモデルとして有名になり、SNSや街でチワワが注目を浴び始める頃、チワワはお金に困ったり住む家がなくなったり危ない人らと一緒にいるときがあったり、誰にも笑顔でニコニコ輪の中心にいたチワワだが、裏ではいろんな悩みや心配事があったに違いない。
まだ19歳の若者。将来に対する不安だったり、住む家やお金の面で養ってくれる人を見つけるのも可愛いさや体を売って手に入れたのだろう。
注目と成功はイコールではない。
時折見せる写真の中のチワワは思いつめている表情を見せていた。
友達との会話の中でも、自分が死んだらこうしてほしい、という内容もあった。
最初から死ぬことを予測していたような。
クスリでもやってた?病気だった?
いろんなことを考えるが正解は分からない。

単純に若者の葛藤や苦悩、だけで終わらせてはいけない話なんじゃないかな。
なんかもっとこう深い闇があるというか、実際の日常にもこんな話ありそうだな。


「私たちにとってチワワはゴールドラッシュみたいな存在だった」
Nちゃん

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