見知らぬ外国のなんでもない場所で歩く気持ちが、リアルに掘り起こされた。
不安だが、少しの興奮。
しかし、女性1人で夜歩きは怖い。
いや、更に怖いのは観覧車ブランコ?の何度も繰り返させられる拷問のような仕事だったり。
強制的に連れてこられた場所で精一杯我慢強く他人のために働いた、
昔シベリアから移送された日本人が装飾をしたナヴォイ劇場の話は、まるで葉子そのもの。
その劇場での彼女の歌は何かが乗り移ったのか自分自身がさらけ出されたのか。
しかし更に伸び伸びと歌えた大自然の中。
命があって、愛する人がいて、
未来も希望もある。
ここからじゃないかと気づけたのか。
ラスト直前まで、どうしても不安感の勝つ映像ばかりで落ち着かない。異国の地で不安なまま逃避行する恐怖も。さすが黒沢?
しかし、
男たちに追われたらそりゃ逃げるだろう。
「私たちはそんなに怖いのか。話し合わなければ知り合うこともできない。」女性にそれを言うのは、理解もなく残酷な話だ。怖いに決まってるではないか。