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旅のおわり世界のはじまりのrosechocolatのレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
3.1
レポートが「日本流」を世界で振りかざしながら進むことは、自分たちの関心外のことは全てシャットアウトすることに通じており、当の本人たちは全く疑問に思ってないが、外側から見ると実に滑稽に映る。カメラマンの岩尾と、通訳のテムル以外は、そのことを疑問にも思ってない。

葉子のレポートは、特にバザールのレポートが顕著だが、全く相手と絡もうとしていない。自分の視点のみしかなく、スタッフのこともお構い無しでつるつる進んだ結果があのドタバタ劇(個人的には、こんなレポーターは最低ランクだと思ってますが)。これが全くこちらに刺さって来ない。

敢えて響かない設定にしているのだろうけど、そこから劇場での出会い、ラストシーンと観て行って、話が進むにつれて葉子が変化したようには見えなかった訳です。あの短期間で、いくつかの出会いがあったからと言って、劇的に葉子は変わったか?YESとは言い難いなあ。恋人のエピソードも、話がと全面的にリンクしているようには思えなかったし。話を持ってきましたという印象しかない。エピソードが並んで、さあこれで劇的ですよね?と訊かれても、どこか腑に落ちない。その時は、へえ…と思っても、時間が経つと「そうですか?」としか思えなくなっちゃうんですね。

自分の視点しかなかった葉子は、ウズベキスタンに行ったことで、自分の目標ははっきりしたけど、かと言ってそこから内面が変わったようには見えなかった。これが結論かな。ミュージカル女優として通用するだけの歌唱力レベルには程遠いのも、観客を納得させられなかった一因であろうことも書いておきます。
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