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軽い男じゃないのよのbobのレビュー・感想・評価

軽い男じゃないのよ(2018年製作の映画)
4.0
コメディかと思ったら、ジェンダー差別を痛烈に訴えかけている衝撃作だった。

とても面白いと感じたのが、女が男を演じ、男が女を演じることで、より強く「男性像」と「女性像」がはっきりと浮かび上がっている点。
「男っぽい」女達の言動の節々に、「男性像」が細かに描写されており、男性が女性の目にどう映っているか、まざまざと見せつけられた!
目で悦ぶための店の広告が、裸の男達であることの違和感。雑誌の表紙には「男性の科学者」と、まるで珍しい見せ物かのように写っていることへの違和感。
この作品はすごい。

また、これは男尊女卑を悪とするだけの単純な作品ではない気がする。
単にフェミニストのためのメッセージではなく、ジェンダーに対し何らかの違和感を抱いているすべての人にとって・・・それは男、女、どちらでもない人々、マイノリティと言われ黙殺されてきた人々の、社会への訴えを表していると思う。

作品では、女は強く生まれ男は弱いという設定になっている。生物学的にそうであるから、女が働き、男が家庭を支えるという社会設定。そうなるのが自然では?と思うから、今の社会がどうしても働く男の方が多く社会的に優位になる傾向にあるのは普通だと思う。
しかし、「女性」が男にとっても社会にとっても必要なことは言うまでもなく、互いに支え合わないと生きていけない。
尊重し合う関係性があってほしいと思う。
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