ダルマパワー

ソニック・ザ・ムービーのダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

孤独だったソニックが人間の友と出会い、迫り来る敵をやっつける。青がとてもきれいで映えていた。ソニックの疾走感とゲーム的に残る青色の走りの余韻がかっこよかった。

一番好きだったポイントは、ストーリーの部分で、トムが今いる田舎に留まるか、新しい都会に飛び込むかに葛藤し、最終的に田舎にとどまる決断をする所。

誰しもなにかを成し遂げたいと思う事があり、現状に焦ってしまい、よくわからないままにキラキラした何かに惹かれる事がある。

アメリカンドリームであったり、セレブな暮らしであったり、、、

ただ、たった一度の人生において、本当に大切なものが何かを考えると、挑戦も確かに大事だが、中身のない挑戦は空虚で時間を無駄にしているだけかもしれないと、時々おもう。

それよりも、今自分がもっている家族や仲間を大切にし、友に時間を過ごす事の方が幸せだと思ったりもする。

足るを知る、という考えがそうかもしれないけど、

そう言う所が、本作で描かれていた所に個人的には共感を持ち、トムの選択に好感を抱いたところ。

わたしは元々ゲームソニックをやっていなかったので、ゲーム愛好家から見たソニックの再現度がどうだったかはわからないが、気になる部分。本作はハリウッド制作ではあるが、日本のセガが多くを出資しキャラクターの言動については違和感がないよう意見を出していたそう。仕上がりは納得のいくものだったのだろうか?私自身は、本作を見て、あ、これがソニックなんだ、と違和感なく受け入れられた。自信家で、なんにでも興味があり、挑戦的で、回りにも優しい。一方で、寂しがりでドジな所もある。そんなソニックをすぐに好きになれた。


一点だけ本作で、個人的に残念だったのは、ソニックの高速移動の演出が、X-MENにおけるクイックシルバーと全く同じだった事。

冒頭の亀をもって道路を疾走するシーンは、クイックシルバーが爆発する屋敷から犬を助けるシーンそのままだったし、

バーの喧嘩シーンで、スローモーションが始まった瞬間にオシャレなBGMに切り替わり、ソニックが部屋を高速で駆け回って相手を倒す仕掛けもしかり。

その他、ソニックが発する電気のほとばしり方や霧が出て塵が宙を舞う様子は、どこかX-MENにおけるストームを思わせた。最終局面で急に時間設定が夜になっていたのも、ストームの演出に近いものを感じてしまった。

オマージュとコピーの境は何だろうと、本作を見て改めて思ったが、少なくとも既視感が強く、え?と冷めてしまったのは残念であった。
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