ひろ

UNlovedのひろのレビュー・感想・評価

UNloved(2002年製作の映画)
5.0
森口瑤子演じる光子は、平凡な現状に満足しており、社会的地位向上を当然の望みとして考える仲村トオル演じる勝野と松岡俊介演じる下川は光子の考え方を理解出来ない。
『月曜から夜ふかし』でマツコ・デラックスが、「現在の男女平等は、女性も男性と同じようにして良い、という女性が男性に合わせる男女平等で、女性の思うままにして良い男女平等ではない」と言った。
社会的地位向上を目指すのは、男性が作った男性社会特有の考え方とすれば、光子の考え方は決して間違いではない。男性2人と光子の正論同士がぶつかるから、余計にややこしくなる。
光子と勝野が池で口論になるシーン、終盤、光子と下川が部屋で口論になるシーン、共にドキドキする台詞の応酬だ。光子から勝野にピント送りして光子から去って行く所や、光子と下川の室内の動かし方が凄い。
勝野と光子が初めて喫茶店に行った時、店内の左から徐々にカメラが動いて2人の正面まで来たら、2人の後ろのテーブルの上の赤い花が彼らの真ん中に位置する。次に同じ喫茶店に来たシーンでは、光子が赤い花の前に座り、花が彼女により隠れる。これだけで2人の距離の縮まりが分かる。2度目に訪れた時はタメ口になっているが、座る位置だけで2人の関係性の変化が見える。
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