このレビューはネタバレを含みます
バーニング劇場版鑑賞。
村上春樹作品は最後までいつも読めない。。5ページほどでいったん本を閉めてしまってそのままってことが多いです。なので今回も原作は未読です。
パントマイムの蜜柑のように、ないものをあるように、じゃなくてないことを忘れる。
飼っていた猫も燃えたビニールハウスも水のない井戸も、ジョンスには見えない。見つけられない。
でもきっとヘミやベンには見えるんだろうなって思ってたと思う。うらやましいって。
田舎育ちのジョンスは都会的な匂いのするヘミを愛し、裕福なベンに憧れる。
そっち側に行きたくてたまらない。
ヘミが受け入れてくれたことで、自分の生きがいを感じたんじゃないかな。
ヘミがいなくなると自分がなくなる。
だからヘミのこと必死で探してたのかな。それってすごく歪んだ愛情な気がするけど。
真相はわからないまま、だけどやっぱりベンの話すビニールハウスは女性のことなのかな。
古くて燃やされたがっているビニールハウス。
ヘミも新しい連れの女も、どこかちょっと似ていて、ベンのまわりの友人とは違う雰囲気。ちょっとダサくて、でも自分が浮いていることに気付いてなくて、空気を読めず踊りだしたりする。
そんな女を自分のいる階級まで連れてきて、愛でてあげるのがベンの趣味なのかなって思った。でもそれも2ヶ月で飽きてしまう。
周りの友人は連れが変わっても当たり前に受け入れていて、ベンにとってはあるあるなんだなと思った。
ヘミが行方不明なだけなのか、殺されてしまったのかはわからないけど、どこかで消えたようにひっそり暮らしていて、ひょっこりジョンスに連絡したりするっていうのがいいな。