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バーニング 劇場版のKotaのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.1
“近くにある。本当に近くに。”

その日暮らしのジョンスは、ある日偶然幼なじみのヘミと再会する。二人の距離が近づこうとしていた時、ベンという独身貴族が登場しジョンスは彼にヘミを取られるのではないかと不安になっていた…。そんな矢先ヘミは突然姿を消す。

一言で言うと滅茶苦茶面白い。2時間半もあり、映像に華もないのに、何故か食い入るように観てしまいエンドロールまであっという間。シーンの所々に敷かれた伏線により私たちは結末を“創り出す”。そしてその結末は観る人によって変わる。こんな凄い映画あるかよ…。原作である村上春樹の“納屋を焼く”の奥深さと、それを映像化してしまうイ・チャンドン監督の恐ろしさ。スティーブン・ユアンは”ウォーキングデッド”で大好きなのだけど、今回は韓国語でミステリアスなお兄さんを演じていてより一層カッこよかったな。あくびの後の爽やかな笑顔に抜群の恐怖。

個人的に好きな“ノクターナル・アニマルズ”と“アンダーザ・シルバーレイク”を足してアジア版にした様な感じだから、人によって評価はかなりバラつくとは思う。セリフ一言で全ての仮説が壊されてしまうガラスの様なストーリー、”明確な答えがない”という答えを楽しめる人は是非。
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