以前映画館で鑑賞したが、もう一度観たくてDVDで。
虚構と現実の間に漂う、人間の心理の静かな切実感に引き込まれる。
そこに「ある」と感じられるのはそれが「ない」ということを忘れること。
ヘミがパントマイムでミカンを食べる仕草をするシーン、北向きのヘミの部屋に南山タワーの方角から、建物に反射した光が一瞬だけ差し込んで壁を照らすというシーンが心に残る。
「同時存在」とは。
目の前から突然姿を消してしまってからのヘミの存在が際立って感じる。
「ある、ない」「見えているもの、見えないもの」について考えを巡らさせられている。