かえるのエリー

ビリーブ 未来への大逆転のかえるのエリーのレビュー・感想・評価

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
3.9
なんだか気になる女優のファシリティ・ジョーンズ、彼女がじっとこちらを見るジャケットが気になってはいたが、監督が「ペイ・フォワード」のミミ・レダーと知り、即鑑賞。実話を元にした胸熱ストーリーだ。


あらすじはこちらに詳しく載っているので割愛
以下、ネタバレ鑑賞


主役は性差別撤廃にとことん向き合ったルースだが、MVPは夫のマーティンかと。赤子を抱えた妻をハーバード大法学院に送り出し、育児を手伝い、家事もこなし、弁護士になれなかった妻を労り、チャンスを与えたのだから。「女は家にいるもの」に男は勿論、女さえも疑いを持たなかった時代に、だ。彼が若い頃の癌を乗り越えてくれたことは、家族にとってだけでなく、アメリカにとってラッキーなことだ。

そして敢闘賞は娘のジェーン。当初は革命派的思想で母と衝突するが(このくだりは「大統領の執事の涙」の父と息子を彷彿させる)、時に弱気な母の背中を押し、気づけば法律の元で戦う母の相棒になっているところが誇らしい。

作中、判決の実例などの固有名詞が多く、その辺の歴史的背景や文化を知らない者にとって、やや没入しにくいのは残念。

映画のエンディングにもあったように、その後ルースはクリントン政権下で連邦最高裁判事に任命された。晩年はトランプ政権を危惧していたそうで、故に昨年9月に亡くなる直前まで職務を続けたという。彼女の信念が近代史を支えたと言っても過言でなく、性差別がなくなったとは決して言えないが(特に欧米と比べると日本はまだまだ)、信念こそが世界を変えると思わせてくれる作品だった。

エンドロールのKeshaの曲が秀逸。映画の最後の曲ってこうであってほしいよね。





おまけ

最後の裁判で戦う相手側の弁護士・・・この白目が少ない瞳、どっかで見たことあるな〜と必死に思い出したら・・・あっ!「ミッドサマー」の主人公の彼か!おえっ!