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ジュディ 虹の彼方にのボロロボのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.9
“隣のお嬢さん”として売り出され、“お騒がせ女優”として叩かれたジュディ・ガーランド(1969年に47歳で没)の晩年を描いた作品。
原作は舞台「End of The Rainbow」。

レネー・ゼルウィガーの女優魂が炸裂し、ほとばしる。アカデミー主演女優賞に納得。
※「ウォーク・ザ・ライン」と同様のパターンか。

私的には「ジュディ、しっかりしろ」と思えるシーンがあちこちに。
コレ、予備知識なしだと感情移入しにくいだろうなあと思います。遺族や関係者の意思なのか、ハリウッドの闇に対する気遣いなのか、そもそも原作である舞台脚本がこうなっているのか、定かではないですが、ジュディとその両親の生い立ちやバックグラウンドをソフトに表現(もしくは覆い隠す?)してるのではないかと。何となく匂わせるシーンや演出はありますが、遠回しすぎるような。
そんなわけで、観賞前でも後でもよいので、こちらの記事を是非読んでいただけると。
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/g30696921/vol6-toxic-mother-judy-garland-abused-by-hollywood-industry-first-part-200130/

ちなみに一緒に観たカミさんは、ジュディが子供たちから引き離されてしまうという母親としての不幸(自身が招いたとも言えるけど)を契機に終盤ボロ泣きしてました。

ロンドンのクラブにおけるライブパフォーマンスは圧巻。ここだけでも観る価値あり。歌もレネー・ゼルウィガーが歌ってるそうで、私的にサントラDL確定です。

ジュディ・ガーランドだからこそ、LGBTQについて避けられない。なるほどねぇー、という展開。
そして、序盤のクローゼットのシーンは象徴的。

ショービズに見出だされ、ショービズに育てられ、ショービズに縛り付けられ、ショービズに呪われ、それでもショービズに生きがいを感じ、ショービズで輝くジュディ。
ジュディは、ショービズの捕らわれ人とも言えるし、ショービズに身を置かねば生きていけない人とも言える。

そして彼女の遺伝子はライザ・ミネリに引き継がれていくんだよなあ。当作で娘ライザは序盤にちょっとしか登場しません。実際にはライザも母親のお仕事をサポートしていたようなので、ロンドンクラブのあのマネージャーはライザの象徴なのかなあと思いを馳せています。

「オズの魔法使」だけにフォーカスが当たっているのは分かりやすさ優先なのかなあ。
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