しちれゆ

ジュディ 虹の彼方にのしちれゆのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.8
ジュディ・ガーランドが憑依したかのようなレネーの演技が圧巻。アップで映し出される顔は見ているのが辛くなるほど丸裸で孤独で老いている。
「君の名前はフランシス・ガム、太い脚に出っ歯、ホモの父親、自分が誰か分かったか」と貶められ薬漬けにされた少女時代。けれどある日ビタミン注射のために訪れた医者に「実を言うと私はドロシーが大好きだった。ジュディ自分を大切にして」と言われる。本当の自分と虚像の間で揺れているというよりも″ジュディ・ガーランド″こそ彼女そのものでありながらアルコールと薬と男を必要とした弱さと一方に見える自負と傲慢。サプライズのバースデーケーキを口に運ぶことを躊躇する悲しさ。

虹の彼方 どこかに魔法の国があると聞いたわ、そこではどんな夢も必ず叶うらしい

喝采と引き換えに人生を差し出したジュディの痛ましい最期は神様が彼女に用意した帳尻合わせだったのかもしれません。
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