みち

私は、マリア・カラスのみちのレビュー・感想・評価

私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)
3.9

幼い頃、祖母が運転する車の中ではよくオペラのアリアが流れていた。何の歌なのかわからなかったしCDのジャケットも見たことないけど、今思えばあれはマリア・カラスやったんやなあと思う。

これは、オペラ歌手マリア・カラスの人生を本人の映像を繋ぎ合わせて振り返る映画。彼女のことは断片的にしか知らなかったのだが、映画を観て、その太く濃い人生に圧倒され引き込まれていった。努力家で謙虚な一面がある一方、1人の女として愛に生きる情熱的な面もあった。『マリアでありカラスである』と自身を語った彼女。人生の酸いも甘いも知り尽くした彼女をみて感じることは多かった。

また、彼女の歌をたくさん聴けるのもこの映画の魅力の1つ。『ノルマ』の “Casta Diva (清らかな女神よ)”が流れたとき、天上の音楽とはまさにこれだ、と感じ、音楽の美しさに思わず涙がこぼれた。

まさに『歌に生き、愛に生き』(トスカより)た人生だった。
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