アラシサン弐

幸福なラザロのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
3.7
社会派なのにファンタジー要素ありで不思議な雰囲気。

どれだけ純朴で怒りも欲もない聖人みたいな人間だとしても、欲を使うことに無知では現代社会、ましてや不況真っ只中のイタリア経済の中では、生きていくことすらも剥奪されてしまうのだと思うといたたまれない。

序盤で農園主のオバサンが言ってた「人間は自由にしたら過酷な現実を知ることになる獣と同じ」みたいなことが、皮肉にもそのまま伏線となってるんだね。

でも振り返ってみれば、村にいた時からメチャクチャこき使われてたから、純真さが何かをもたらしたり産み出したりすることよりも、そこにつけ込んでくる人間の醜悪さを描いてるのかもしれない。
アラシサン弐

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