驚くほどクラシック。ルノワール、タルコフスキー、ガレル、ゲルマン、カヴァレロヴィッチ、小津、クストリッツァ、清順などなど、あらゆる古典的作品がフラッシュバックする。
部屋の外で雨が降る固定ショットに強烈なこだわりを感じる。横断幕を取り付けていた男の梯子が倒れて壁に激突するカットが好きなんだけど、あれはなんなんだろう。
ポーランド民謡のクセのある魅力的な倍音、ビバップ〜クール期のジャズの旺盛さ、ロックアラウンドザクロックの資本主義的やけっぱち。あらゆる同時代音楽の地域間衝突がこの映画の魅力であることは間違いない。最後にくるグレン・グールドの唸りも含めて。二人の混乱は音楽の混乱でもある。
ヨアンナ・クーリグはレア・セドゥに似てるけどレア・セドゥより好きだ。老けない二人、禿げ続けるカチマレクの対比が笑えてきて困った。