COLD WAR あの歌、2つの心の作品情報・感想・評価

「COLD WAR あの歌、2つの心」に投稿された感想・評価

とえ

とえの感想・評価

4.0
これはとても切ない映画だった

冷戦時代のポーランドで出会ったピアニストのヴィクトルと、歌手志望のズーラの愛の物語

この話は、監督のご両親の話が元になっているそう

そのヴィクトルとズーラは恋に落ちるが、その後、彼らには様々な困難が待ち受ける

その2人の姿を通して、冷戦下のポーランドの社会事情が見えてくる

東側の事情は、西側の国からしたら、よく理解できない部分があるけれど、彼らの恋を通して見ることで、より現実的に感じることができた

恋愛は多くの人にとって経験のある感情だからだ

彼らに感情移入して観ていると、ピアニスト志望のヴィクトルが音楽を求めて西側へ行くことも、そのヴィクトルに誘われて戸惑うズーラの気持ちも、愛するズーラのために命をかけるヴィクトルの気持ちも、とても理解できるのだ

民主主義の国に生まれていれば、そのまま一緒にいられた2人の恋も、国が違うだけで、複雑になり、命をかけるまでになってしまうなんて

そして、そんな2人の恋を演出する音楽がとても素晴らしい

その歌声は、過酷な時代に翻弄された恋を見事に表現して、心に突き刺さる

そして、映画を見終わった後も、しばらく耳に残り続けた

冷戦のことがよくわからないという人でも、彼らの恋を観ているだけで、当時のソ連がポーランドにかけていた圧力や、自由に恋愛することすら難しかった時代を感じとることができる

画面はモノクロだけど、色がないことを感じさせないぐらい、イキイキと輝いている

映像も、音楽も、彼らの恋も、その全てが美しい映画だった
Bluegene

Bluegeneの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

第二次大戦直後のポーランド。音楽家のヴィクトールと歌手志望のズーラは恋に落ちるが、反体制分子として監視を受けたヴィクトールは西側へ亡命する。ズーラは彼についていくことを拒み、民族舞踊団で歌手として成功した。数年後、パリでジャズ・ピアニストとなったヴィクトールは、舞踊団の海外公演でパリを訪れたズーラと再会する。鉄のカーテンに阻まれながらも互いへの思いは消えることはなかった。

見ている間ずっと、二人は東西に引き裂かれたまま悲恋に終わるか、ズーラも西側に来てハッピーエンドになるか、どちらかだろうと思っていたので、エンディングには驚いてしまった。ズーラは合法的に西側に脱出したにもかかわらずポーランドに帰国し、ヴィクトールも彼女を追って-投獄されるとわかっていたにもかかわらず-帰国するのだ。

映画の冒頭で、ヴィクトールは農村地帯をまわり農民たちの歌を録音している。民族音楽への愛情はこの映画の根底に流れるテーマとなっていて、だからこそズーラはパリになじめなかったのだろうなと思う。二人の思い出の曲がなんだかありふれたシャンソンになってしまった時、たとえ自由があっても自分の歌が奪われるならここにはいられない、と帰国を決意したのだろうか。

ズーラが帰国後にどういう扱いをされたかははっきりと描かれないのだけれど(ヴィクトールは速攻で逮捕され、15年の刑期で鉱山の強制労働に送り込まれる)、黒髪のカツラをつけてマリアッチを歌っていたところを見ると格下げされたのだろうか…。ズーラは民族舞踊団のマネージャーだったカツマレクと結婚しているんだけれども、それはたぶんヴィクトールの刑期を短縮してもらうためだったんだろう。

肉体労働で手を痛めピアノを弾けなくなったヴィクトールと、酒に溺れてマズルカも失ったズーラ。ズーラはヴィクトールに助け出してくれと懇願し、二人が向かったのはかつてヴィクトールが歌を集めていたときに通りかかった教会。共産主義体制下で廃墟のまま放置された教会の祭壇で二人は結婚の誓いをたてる。そのあとこの世からオサラバさらばするための薬を飲み、田舎道のバス停に座って「あっちのほうが景色がきれい」って道を渡り、姿が画面から消える。カメラはそのまま二人が座っていたベンチを映し、つむじ風が麦の穂を揺らして終わる。

モノクロのクールな映像に加え、登場人物もあまり感情を表に出さない。主人公二人の恋愛はとても激しいはずなのに、冷たい手触りのする不思議な映画だった。ポーランドに行ったときに風景が北海道と似てると感じて親近感を覚えたんだけれど、冒頭の雪の中を歌を集めてあるくシーンを見るとやはり気候が似ているようだ。寒い国の映画である。
えび

えびの感想・評価

-
命がけで愛してよ!なんて今後私の人生において誰かにぶつけることがあるだろうか。
冷戦下、共産主義の道をひた走るポーランド。消えつつあるポーランド民謡を収集し、民族舞踏団を立ち上げたピアニストのヴィクトル。舞踏団の団員でワケアリ問題児だが抜きんでた才能の持ち主ズーラ。
ろうそくの灯のように穏やかに見えて芯は熱いヴィクトル。はじけたザクロのように、情熱のかたまりをこれでもかとぶつけるズーラ。時代がどんなに二人を引き剥がそうとしたって、ふたつの心は離れることはない。関係が変化していったとしても。
命がけで愛してほしいとぶつけることは、わがままか情熱的か。その線引きってがたがた。言ってみたいような、でも言ったらおしまいのような。というかそれだけ強く結びつくパートナーシップにうらやましさを感じるし、一方で軽蔑も感じる。悲しいかな、ほとんど妬みですが。
モノクロの美しい映像と鳥肌モノのポーランド民族音楽、民謡から昇華したジャズ・シャンソン。迫力のあるダンス。ほとばしる情熱に身をゆだねた90分でした。政治的というよりも恋愛映画としての要素が大きかった。
愛するピーター・バラカンさんがラジオで本作を絶賛していたので期待値爆上げで喜び勇んで試写会に行ってまいりましたが・・・。この歯切れの悪さよ。この作品を観て手放しで、感動した!素晴らしかった!と感じ取ることができる感性を持ちたかった。消化不良なので整理して公開されたらもう一度チャレンジしたい。
kassy

kassyの感想・評価

3.5
試写会にて。

冷戦下のポーランド、パリを舞台にピアニストと歌手志望の学生の恋を描く。ピアニストはのちに国外逃亡し、許されぬ恋へとなっていき…

アカデミー賞の外国語映画賞、監督賞、撮影賞にノミネートされた本作。
全編モノクロで、シャープな質感ながら情熱的なラブストーリーとなっている。
背景の説明や心情の説明はあまりせずに、省略した美を醸し出している。
2人は猛烈に惹かれ合い、時代が引き裂こうとも、愛の力が勝ることを見せつけられた。

ポーランド民謡のような2つの心という曲が、最初は無垢な民謡から変化していき大人なジャズ、シャンソンへ変化していくのは主人公ズーラの成長をも重ねているようだ。私はこのシャンソンver.がとても気に入った。ヨアンナ・クーリグの歌声、生意気そうなツンとした顔が映画の中で輝いていた。

監督のご両親をモデルにしたそうだが、子供ながらに情熱的な2人に見えたのだろう…
ポーランド・トラッドからトラッド・ジャズ、フレンチ・ジャズ、ラテン、労働歌、クラシック、ロックンロールまで、素晴らしい音楽の応酬。一切無駄のないカメラワーク。純文学の古典のような物語。すばらしかった。
shurin

shurinの感想・評価

3.6
多分大事なシーンで寝てしまった気がする…ので全体的にはなんとも言えないが88分という比較的短い上映時間に収めるために説明を省いているのか、説明を省いた結果短い上映時間になったのか…おそらく後者であるとは思うが序盤もう少し説明欲しかったかも…
モノクロの映像は狙いすぎってくらい綺麗だったし(特に最後のベンチ)、主人公のズーラの声のパワーが凄まじかった
ただ正方形に近い画面サイズはあまり好みではなかった
試写会行きました!
冷戦下の1950年代、東側と西側の間で揺れ動き、時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー! パベウ・パブリコフスキ監督。2018年・第71回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。
ポーランドの音楽舞踏学校で出会ったピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラは愛し合うようになるが、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリに亡命する。夢をかなえて歌手になったズーラは、公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会。そして、彼女もパリで暮らすようになるが、やがて、故郷ポーランドに戻ってしまう。彼女の後を追って、ヴィクトルはポーランドに戻るのだが…。

愛するが故に、離れ離れになっても惹かれ合う、二人の思いが切ない作品!
自由に音楽活動ができないポーランドを離れ、パリに亡命するヴィクトルと、彼を愛していても、故郷ポーランドに愛着のあるズーラ。故郷ポーランドへの思いの違いが、その後の二人の恋に波紋を投げかける。
加えて、東西冷戦による“国境”という物理的な壁。
そんな二人が出した結論は、首肯できるものであるとともに、どうしても割りきれない気持ちにさせられるものだった。
冷戦下のポーランドで引き裂かれた男女。この男女がピアニストと歌手ってことで音楽も印象的。ピリついた状況と二人の姿がモノクロで描かれる。
障害のある恋愛だけど、その言葉だけでは語り尽くせない、終わり方もよかった。

セドリック・カーンも出演してた。あと、フランソワ・オゾンの名前がthanks toにあった。どういう繋がりだろう?気になる

まー、良い映画だけど、これもコンディション整えとかないと眠くなるな…。
構図の良さとモノクロの静かな濃淡、それぞれのシーンのテンポ良さ、画面と対照的に色とりどりの音楽、こういう音楽劇もあるのかと新鮮だった。
zzyy

zzyyの感想・評価

-
めんどくさい女ァ…

「オヨヨーイ」フレーズと歌うその瞬間の顔、反則でしょ。キツかったです、笑い堪えるの。

映像はモノクロだけど綺麗。
予告編から合わないと思ってましたが、その通り
私には100%NOでした。
>|