けーはち

COLD WAR あの歌、2つの心のけーはちのレビュー・感想・評価

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
3.7
50年代の共産圏ポーランド、歌劇団の作曲家と歌手は良い仲になるが、作曲家がフランスに亡命して二人は生き別れに。機会を見つけ二人は逢瀬を重ねるが……というメロドラマ。歌は世に連れ、とはよくいったもので、「マイファニーヴァレンタイン」っぽいと思ったら「オヨヨ〜♫」というフレーズが出てきて印象深いメインテーマ、ポーランド民謡「2つの心」という曲が歌劇団のコーラスになりジャズになり、手を変え品を変え登場。時代に翻弄され狂った男女の運命はモノクロでしんみりと多くを語らず90分以内で描かれる。二人は一旦別れてから別々にパートナーを作っているんだが、まあ、その彼ら彼女ら周辺人物の物分りが良すぎるのは、何だかご都合主義だね。60年代に入りラテンが流行り始め寒々しいポーランドに空々しく常夏の歌を唄う終盤のくだりはまるで茶番のようだと悲しく込み上げる。オヨヨ〜♫