たえぴょん

ブラック・クランズマンのたえぴょんのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.9
見終わってのまず最初の感想は「英語勉強したい」でした。
英語圏で生活出来るくらい英語力ある人なら私の3倍くらい楽しめそうです。
あまり話題になってないですが(スパイク・リー監督の映画でわざわざ話題にするのも躊躇われるくらい当たり前だからかもですが)音楽がいい。ヒップホップ以前のブラックミュージック最高だー。サントラ欲しい。
 
単純に黒人差別よくない、白人えげつないだけの映画じゃない。
スパイク・リーはものすごく中立で描こうと努力してるように感じました。
白人が黒人を差別する、黒人に差別されると被害妄想を抱く白人、警官(ほぼ全員白人)をひとからげに豚と呼ぶ黒人、自らのルーツに無頓着なユダヤ人(出てはこないけど多分ここに日本人も入る)、自分自身が無く夫に依存する妻、書き連ねるだけでうんざりするような人間の負の連なりをコメディに昇華するという手腕に拍手。ゲラゲラ笑ってしまいました。areのくだりは笑いすぎた。もっとちゃんと英語勉強しろよ~昔の私!
私に一番刺さったのは最も底辺に置かれているコニーですね。コニーの言動は全く笑えない。似たような思い当たる人々が頭に浮かびすぎた。身近でも、マスコミを通じてでも、いてる、あんな人。悲しいわ。
 
冒頭近くに主人公ロンの発した「純正英語も黒人英語も両方こなせる」ってのが、ストーリー上でも、暗喩としてもポイントに感じました。見たあとからも、ここ大事!みたいな。
 
私自身は本編の最後ハハハハちゃんちゃん♪で終わる終わり方が好きだけど、付け足しドキュメンタリーフィルムはありだと思いました。スパイク・リー監督の中立を保つ努力に対してのご褒美感覚で。蛇足と言えばそうだけど、彼の意見も聞いてあげようよみたいな。謎の上から目線w
 
俳優陣ではアダム・ドライバー、素敵だった。声がたまらん。
あと、ロンとフリップともう1人先入捜査班にいた年配刑事役の俳優さん、誰だろ?いい味でした。
 
好き嫌いは別れると思いますが、見る価値は大いにあり。いろんなことを笑いながら考えたい映画でした。