な

存在のない子供たちのなのネタバレレビュー・内容・結末

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

 子役の演技が上手すぎるというか、もはやドキュメンタリー域だったので調べたら実際の難民の子や不法移民の子を起用していたと知った。
 主人公を演じたゼインくんの「学校に通いたかった、撮影スタッフは人間らしく接してくれた」(cinefilインタビューより)という発言や、ヨナスちゃんの両親が撮影中に逮捕されたことから、取り扱われている問題の大きさと自分の無力さを痛感した。某七三分け弁護士の台詞を借りると「誰のせいだ!誰が悪いんだ!誰をつるし上げればいいんだ!」という感じだ…。
 何かしらの問題を取り扱った映画を観る度に、知見が広がった考えるきっかけを得た知られて良かった私は無知だったと自己満足していたけど、私の心情の変化なんて当たり前にその問題自体の解決には何も関係無いんだよな。空調の効いた安全圏からエンタメ化した悲惨な問題をチラ見しては満足している今までもきっとこれからも、、、
 ゼインくんに訴えられた両親もまた「存在の無い子供達」なのが遣る瀬無かった。これはフィクションだからゼインくんは両親を訴えたけど、教育を受けていないスラムの子供達は多分こんなことできないよな…ゼインくんのような状況の子はたくさんいてもゼインくんのような行動ができる子はいない気がする。
 日本では見られないスラムの惨状が目をひいて遠い国の問題のように思えるけど、収入に見合わない子沢山故生活苦で主に長子が年相応の生活をできていない日本の大家族も似たようなものでは無いかと思う。飼育の為の金が出せない人は動物を飼ってはいけないのと同じで、子供を守れない、ましてや国が定めた義務すら与えてあげられないような状態なら子供は作ってはいけないと思う。あとキャッチコピーでは「産んだ罪」とされているけど女だけが背負う罪では無いと思っている。他に適当な表現が無かったんだろうけど。
 本編とは関係ないけど、こういう他国の悲惨な状況を見るたびに先進国の人たちが地球温暖化防止を呼びかけているのなんだかな…という気持ちになってしまう。健康寿命を延ばしているならまだしも、こんな怪我だらけの地球を生き長らえさせて問題諸々まるごとのこされた子孫は良い迷惑だろうな…どうしたらいいんだろうな…
な