椎蕈

存在のない子供たちの椎蕈のネタバレレビュー・内容・結末

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

テーマやら描写やら何もかもが重い。
重過ぎて見るのがしんどいくらい。
脚色はあるだろうけど、実際にこんな子供たちが世界のどこかにいるんだと思うと辛い。
ゼインがサハルを買い取った男を刺して捕まり、そうなるまで至った経緯を過去と現在を挟みながら進めていく展開は面白かったし、終盤に最初の検査のシーンに繋がるところは綺麗だった。

ラヒルが出生届の件で捕まって家に帰れなくなって、ゼインとヨナスの子供だけで生きていくシーンだけでも30分以上あるけど、物を盗んだり拾ったり、ゼインがヨナスを捨てて行こうとしたけどやっぱり出来なかったりするシーンもあるからその辺りが1番見ててしんどかった。

序盤と終盤にしか登場しないけど、それでもひたすら父親と母親にイライラしながら見てた。
「血を分けた子よ」とか「子供を生かす為なら罪を犯すわ」とかそれっぽいこと言ってたけど、すぐ暴力振るうわゼインが帰ってきてもいきなり掴みかかって叩くわで、法廷の場でいいように言ってたようにしか聞こえなかった。
てかそもそもそんなに生活苦しいなら子供作るなよって思いながら見てた。
そんな軽い話じゃないのは分かってるけど、同情できるような両親じゃなかったから不快だった。
最後にゼインが言ってくれたから良かったけど。

最後にゼインが身分証を得ることができたし、ヨナスとラヒルは再開できたし、救いのある終わり方なのが良かった。
サハルは死んでしまったし、ゼインの弟や妹たちはどうなるのか分からないし、モヤモヤも残る作品ではあったけど、全部解決して綺麗事で済まされないのが逆に良いと思う。
椎蕈

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