まりん

バハールの涙のまりんのネタバレレビュー・内容・結末

バハールの涙(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

惨いのです。辛いのです。
だけど、凄く力強くて、格好良いんだ。

大学を出て、弁護士になって、夫と息子に囲まれ幸せに生きていたバハールの人生が、突然崩壊した。
それからの奴隷人生。家族も、尊厳も指の間からこぼれ落ちて行く中で彼女が折れなかったのは、連れ去られた息子を取り戻すと言う強い信念。
戦場からジャーナリストたちが撤退する中、自分には戦う勇気は無い・・と言いながら、戦前で取材を続けるマチルドも、震えながら、娘の存在を心の支えに頑張る。
傷付いているのに。

戦場カメラマンが危険な目に会うと、勝手に危険な場所に行ったくせに・・と言う人が出て来る。
特ダネ狙いだろう・・と。

作中に、マチルドが、真実に力は無い。ワンクリックして終わり。…って台詞がある。
2004年製作のHotel Rwandaにも、助けは来ない。酷いね、と言ってチャンネルをかえるだけ…とジャーナリストが嘆く。
テレビがネットに変わっただけ。悲惨な現実から目を背けるのは変わらない。

安全な場所で、戦争良くない。と言いながら、日常を送っているそんな私たちに、現実に起きて居る事を教える為に戦っているんだ。
救いを求めている人がいるのに。集まれば出来る事が有るのに。私達に救える命が有るのに。それに気付いて欲しくて戦っているんだ。

あんな人生が有るんだ‥と思うと、本当にぞっとします。
まりん

まりん