床ずれ

イメージの本の床ずれのレビュー・感想・評価

イメージの本(2018年製作の映画)
3.5
最初の「1 リメイク」に見られる、類似したイメージによる「押韻」の連鎖が良かった。おそらくローザ・ルクセンブルクの死を意識したであろう、川に人を投げ入れる身ぶりを通して、過去の映画の断片やISILの映像がモンタージュされる。自爆テロを彷彿させる映像は、同時代人としてやはりショックが強い。映像史の亡霊たちを次々と召喚して地獄のような表象の世界を見せたあと、それでも希望を語るゴダールに、ベンヤミンの歴史哲学と似たものを感じた。
しかし、正直ゴダールは『映画史』の頃から同じことを繰り返している感があって、年取ってもなおラディカルであることには間違い無いのだけれど、それほど新鮮味を感じなかった。
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