ラマー・ジョンソンが朝食を作りながら様々なタスクに追われ、キッチンを焦がしてしまうくだり(後に手錠をかけられたハル・ベリーによるミルク作りによって反復される)に顕著なごとく、この映画の登場人物は一つの物事に集中することを許されない。コンビニの駐車場で車をしょっぴいてる最中にジョンソンとヒルソンにパトカーに乗り込まれる警官、車を暴走させる子供たちに気を取られながら拘束から脱しようとするベリーとクレイグなどなど。そのドタバタ感、しっちゃかめっちゃかさが面白い。
暴動を車内から捉えている印象的なシーンでは、ただの演出家の欲望の発散以上の緊張感が画面に張り詰めている。