こういう時代劇コメディは好き。
『殿、利息でござる』とか。
現代では考えられない規模のお引っ越し。都道府県1個まるごと、みたいな。それを今よりもローテクの江戸時代に執り行う。もう、命と財産をかけたまさに一大イベント。
その壮大感と、どれほど国と予算と人の人生に関わることなのか、に焦点を当てているので笑いありのコメディではあるが、対照的な悲壮感や絶望感、悩みや葛藤など少しシリアスな場面も差し込まれており、そのギャップもまた幅広いテンションで楽しめる。
星野源がなぜか引っ越し奉行に命ぜられるひ弱な本の虫、という設定がやけに似合う。
高橋一生も、いつも真面目な二枚目役のイメージだが今回は腕っ節の強い豪快な筋肉バカ的剣豪で、少し違ったイメージが垣間見れる。
その他、ミッチーのこのインテリ大名がハマってるし、安定の松重さんだし、いつものすっとぼけ濱田岳、口うるさい高畑充希と見所はかなり多い。
特に最後の砂浜の乱闘、高橋一生の槍を持ってからがスゴい。必見。カッコいい。
全体的に少し最近の時代劇コメディに比べるとテンポが遅め。なかなかシリアスな場面もあるのですっ飛ばせない理由もわかるが、爽快さを期待するなら少し足りないかな。