Yuuka

あなたはまだ帰ってこないのYuukaのネタバレレビュー・内容・結末

あなたはまだ帰ってこない(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ナチス占領下のパリで、レジスタンス活動をしていたために逮捕された夫の帰りを待つ妻。
前半は、夫を取り戻すために、彼女に好意を持って接触してくるゲシュタポの刑事との駆け引きにハラハラした。
次第に生死のわからない夫の帰りを待つことに疲れ果て、心身ともにボロボロになっていくマルグリッドの姿が痛々しい。。

夫を愛していたはずなのに、待つ事に疲れ果て、そばにいて支えてくれる愛人の方へ心を移してしまう事も理解できるし、その罪悪感からますます心が病んでしまう過程も共感できてしまった。
そうしたギリギリの精神状態の中で解離していく様子が見ていて辛かった。

夫を愛している。
夫はまだ帰ってこない。
生きているの?それとも。
夫を愛している。
まだ、帰ってこない。
私は恥ずべきことなど何もない。
だけど、だけど…。

やがて、苦悩の中で夫の死を望んでしまうようになってしまっているような感じも、わかる。
自分勝手かもしれないけど、愛する夫は帰ってこず、支えてくれた愛人の元に行く、表面的にはこのストーリーが1番綺麗だもの。


原題の「苦悩」の方がやはりぴったりくるんじゃないかしら。

愛とは移ろいやすい。
それが真実の愛であろうとなかろうと、関係なく。
Yuuka

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