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ハナレイ・ベイのtheocatsのレビュー・感想・評価

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)
2.0
ネタバレ
シリアス風寸劇付きの殆どムード映画

1.3倍速でチャッチャと視聴。

ストーリー的に特筆すべき点はなく、演技的に吉田羊がしっくりはまっていたという印象は薄い。

本当は不仲の息子がハワイでのサーフィン中にサメに片足を噛みちぎられ死亡というエピソードは実に特筆すべき点なはずだが、映像的に実にあっさり流してしまい、母親吉田羊の反応も素っ気ないものだったので、結局何ほどでもないこととして過ぎ去ってしまう。

その後の吉田のハワイ通いや日本人若者サーファーとの小エピソードもしかり。ただ「赤いサーフボードを持った片足のサーファーを見た」という言葉が小さなとげとして残ることになる。

現地警察が死んだ息子の手形を10年かけてもどうしても渡したがるというエピソードには嘘っぽさ、虚構性を感じてしまったが、本当にそんなこともあるのかもしれない。


全体としてハワイの雄大な景観と空気感が、母子家庭の些少な諍い、息子の不幸、母親の10年越しに湧き起った激情・深い悲しみなどを飲み込んでしまったかのような印象。

あまり深く考えずサラッと見流すのが一番かも。

実は村上春樹原作ということで非常にネガティブな先入観が強く見たくはなかったのだが、深刻さが感じられない浅くてどうでもいいような作り方が個人的には奏功した感じ。


総評二つ星

002009
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