ゆのぶん

ハナレイ・ベイのゆのぶんのレビュー・感想・評価

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)
3.0
シングルマザーで息子を育ててきた女性
自分1人で大きくなったと思っている息子とは気持ちがすれ違う日々。
そんな時、19歳になった息子はサーフィンを目的にハワイへ旅立つが、そこで息子は不慮の事故で命を落とす。。。

ハワイで遺体確認し、亡くなった息子を引き取り日本で葬式をあげても涙ひとつ無く、家に帰ると思い立つように息子の部屋の荷物を段ボールに詰めて片付ける。あまり交流もなく「普段何もしないんだから洗濯ぐらいちゃんとしてくれよ。」との母に辛辣な文句を吐く息子。ハワイへ立つ朝、朝食を用意しても要らないと言い、バカにしたように軽い調子で「さいなら〜」と出て行く息子
そんな息子の死に対しての気持ちを、多くの台詞ではなく表情や空気で演じる吉田羊さんが観ていて切なく映った。すごく難しい演技だったと思う。

家族との縁は薄かったけれども、弔いで毎年訪れているハワイで息子と同じ歳の頃の大学生2人の面倒を見てしまう辺り、少なからず人嫌いでもなければ、決して愛情を持たない女性だったとは思えない。息子が目の前から消えてしまった事に対して淡々としていたのは強さからでは無くきっと悲しみや辛さを押し込めてしまっていたのではないか。
息子への愛や悲しさ辛さを昇華させ、心から息子のいない世界が淋しく思えた時、噂のサーファーに出会えたのではないか。。。そうであって欲しいと願わずにいられません。


女手一つで育ててきた母を追って行く内容なのである程度家族とのしがらみや何かを経験した方が観るほうが心に刺さる映画ではないかと思うので
ただいま青春真っ盛りLDH系を追っ掛けてます!という若い人が観ても退屈だと思います。
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