深海ワタル

青の帰り道の深海ワタルのレビュー・感想・評価

青の帰り道(2018年製作の映画)
3.8
藤井道人監督の新作「新聞記者」を見たあとに鑑賞。全くテイストの違う青春群像劇でしたが、作品への距離感みたいなものがどこか似ていると感じました。私自身にとっては十数年前の頃の話なのに、苦しくなったり、温かい気持ちになったり感情が忙しくて。

あの頃の年代で自分自身を理解できたり、流されずに生きていけたり、周りと比べずにいられる人は稀。その危うさいびつさがさまざまな形で描き出されています。印象に残ったのは、森永悠希さんの笑顔の儚さ。戸塚純貴さんの安定感。あと工藤夕貴さんもすてきでした。

ただ、東京出身の私にとっては、東京という街が彼らにとっての高崎みたいなもの。そういう意味では東京への感覚が彼らとはきっと全く違うし、こういった作品でどうしても東京が冷たく孤独な場所として描かれてしまうことには少し悲しさを覚えます。

それはそれとして、高崎の真っ直ぐな道は本当に美しかったな。
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