きい

魂のゆくえのきいのレビュー・感想・評価

魂のゆくえ(2017年製作の映画)
3.0
イーサン・ホーク目当てで鑑賞。やや退屈。面白くはないが考えさせられる事は沢山ある作品。

「他人を非難する前に自分を見直せ」とは辛辣。耳が痛いね
主人公が「君はずっと祈っている」とか言われていた。祈り=苦しみだと。
宗教について考える時にいつも感じる、言葉に出来ないちくちくしたものがこれだとわかった。信仰心の強い人には苦悩している人が多い。

牧師にも牧師が必要だという言葉を聞いた事がある。
孤独で悲しくてその上病気で具合悪いし、もう疲れた。でも神父だからちゃんとしなくちゃいけない。そこへわかりやすく差し出された爆弾と汚れた不都合な真実。そこでぐっと濃くなる破滅願望。
彼の決断は勇気なんかじゃなくて、逃避だと思う。愚かで弱くて実に人間らしい。
あんなちっちゃな教会で自爆したところで環境問題には全く影響ないしね。
哀しみや恐怖と戦う事自体が哀しくて恐ろしい。死んでしまえばすべて終わる。

トラーは「自分には向いてない」「幸せだ」と言うけど、ただ逃げただけ。心の奥底では自分を愛し受け入れてくれる女性を求めていた。
だからあのラストは今際の際にみた幻想だと思う。彼が望んでいた事なのだと。

プロパガンダめいたものはうっすら感じる。PCの壁紙をあの写真にする奴いないでしょ……ガリガリのホッキョクグマ。あれ嫌い。
きい

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