きい

薔薇は死んだのきいのレビュー・感想・評価

薔薇は死んだ(2015年製作の映画)
3.8
旅行鞄に詰め込まれた下着姿の女の遺体が流れ着く。ブダペストで高級娼婦と呼ばれたエルザが殺されるまでの経緯をさっくり纏めたストーリー。
実話ベース……らしいけど、1914年と随分時代が古いので噂話レベルなんだろう。

高級娼婦とは言うが、ここで描かれている中では客をとっている様子もなく、愛人?それもベタな愛人関係ではなく、なんだか拗れてる。
元娼婦でパトロンを得て贅沢三昧、少しのきっかけで誰に殺されてもおかしくないような、賢くて哀しい女だった。

「常に堂々としているのが幸せになる秘訣」
わかっちゃいるけど自信がなくてなかなか出来ない。
「想像力がなければ退屈で死ぬ」
手に入らないものがないほど豊かになると結局そこに行き着く。
だけど、「私らしく生きるにはお金が必要」
「人は嫉妬深く自分の運の無さを嘆く、私の努力を想像することもない」
これは至言。美しく贅沢な女は必ず妬まれる。

映像や音楽がなかなかお洒落で、わたしは好き。ただこれがいかにも現代的なので、年代設定と演出が合ってないかなとも感じた。メイクも綺麗で都会的。
終始暗いんだけど重苦しくなくしつこ過ぎず、さらりと観られた。
きい

きい