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魂のゆくえのTATAのレビュー・感想・評価

魂のゆくえ(2017年製作の映画)
3.4
すっきりしたような気分と、もやもやした気分の狭間で揺れてるのはなんでだろう。

とにかくイーサン・ホーク、危うい役演じるとほんと上手い。
敬虔な牧師、ずっと苦痛と孤独の中にいるような雰囲気、メアリーに寄り添う繊細な優しさ…からの怒りと葛藤と狂気。上手い。
ド真面目である意味不器用なトラー牧師、何だか空回りにも見えてしまう姿が哀しかった。
作品全体は冷えた空気感と緊張感、そして重低音のBGMのせいでちょっとサスペンスかホラーかって思っちゃうほどの重み…(サスペンスでもホラーでもないです)

タクシードライバーはずいぶん前にみたので、かなり朧げなんだけど、この作品もタクシードライバーの匂いありましたよね。極端な思考から行動に出るあたりとか。



ここからちょっとネタバレ






ある時からのトラー牧師は、環境問題山積みの未来に子供を誕生させることを憂いメアリーの堕胎を望み(妊娠させといてひどい話!)、結局自殺してしまった夫マイケルの思念に侵食されていくようにも見えた。
突然のスピリチュアル的なシーンは違和感があったかな。急に合成CGっぽくてびっくりした笑

最後、すべてを吹っ飛ばしてしまうのを期待してた自分もいました。あの狂気の顔で有刺鉄線をイバラのように裸体に巻く姿をみせられたらね…。
そしたらあのキスシーン。!?って思ってたらポーンと投げ出されるかのようにエンドロール。

結局、何かに縋りたかったのか、何かしらの爪痕を残し生の跡を残したかったんだろうか、何だかんだいって愛なのか、救われたような救われてないような…この後の牧師はどう生きるの?と、まとまりのない想いが重く残りました
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