いめーじ

CURED キュアードのいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

CURED キュアード(2017年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

元ゾンビ感染者の社会復帰を描いた話。
設定の時点で最高。
まるで出所だし精神病棟を退院したような形にも見えるが、ゾンビ特有の自分のせいとは言えない暴力を非難される理不尽には怒りしか湧かないわな。
回復者も感染者と同じだってヘイトが多かったけど、むしろ凶暴であって欲しいかのように回復者を追い詰めているし、そこから新たな暴力が生まれてしまう構造が最悪。
子供がイタズラに走るのも親の影響があるんだろうなと容易に想像できてしまう。住民の怒りは衰退した経済への不満の八つ当たりって一面もあるかもしれない。
パートナーや友人が回復者を差別している姿を見たら、もし自分がゾンビから回復したとしても同じように差別されるんじゃないかと不安になって距離を置きたくなりそうなもんだが…。

終盤にはゾンビパニックも起こって盛り上がっちゃうし、ゾンビ以上に人間社会のグロさが浮かび上がる皮肉な作りで、しっかりとゾンビ映画のセオリーを取り入れている。

主人公を引き取る人が義姉なのも絶妙で、「血の繋がった家族」「友情」「恋愛」などで解決させない土台作りが上手い。
ちゃっかりコナーが生き残って出馬していたのも良い。死も誠実な解決とはならないのだから。

アビーがゾンビ化しかけてる子供を撃とうとしていたけど、人間誰しも道を踏み外す可能性があるって話で、社会復帰したセナンが守る立場になるラストも象徴的で好きだ。