バズ

孤狼の血 LEVEL2のバズのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

面白かったが、前作は超えられなかったという印象。全体的に重厚感や緊張感が欠けていたように感じる。

とにかく日岡(松坂桃李)があまりにも暴走しすぎ。
劇中で高坂(中村獅童)が日岡に対して放った「大上は自分がしていることは悪いことと自覚していたが、お前は自分がしていることは正義だと思っている」という言葉が全てだと思う。
ヤクザの懐に入り情報を貰うという手口は一見大上(役所広司)と同じに見えるが、大上はヤクザに対して絶妙な線引きをもって接していて、ヤクザのことは駒としか思っていないという発言もあった通り自分は警察であるという自覚は忘れていなかったように思う。

が、日岡は情報を得るために深入りしすぎてしまい、警察でありながらヤクザの一員のようになってしまっていた。
さらには情報欲しさに上林組にチンタ(村上虹郎)をスパイとして潜入させ、そのチンタは上林(鈴木亮平)にスパイ行為がバレて惨めと言われ殺されるという悲しすぎる顛末。

前作で大上に対し「ヤクザに深入りしすぎだ」と忠告したこともある日岡だったが、自分が深入りしすぎていることになるとはなんとも皮肉である。

その結果尾谷組と上林組の抗争を止めることはできず、両者から恨まれ、さらには警察上層部の思惑にハマってしまうという、前作からすると何とも情けない人間に成り下がってしまった。

今作は日岡が前作からどれほどの成長をしているんだろうか、と楽しみにしていただけに日岡のキャラ設定には残念な感じがした。ただそこまで思わせる松坂桃李の演技はやはり素晴らしい。
鈴木亮平も「こんなんシャバに出しちゃいかんやろ」としか思えない残虐非道なキャラで、敵役としては良かった。

とはいえ両者とも前作の役所広司・江口洋介・石橋蓮司の3人の迫力には及ばなかったというのが正直な感想。前作が本当に凄すぎた。あまりにも偉大だった。

個人的には中村獅童、中村梅雀の2人は本当に凄い役者だなと感じた。
そういえば中村梅雀の妻としてあそこにいた宮崎美子も知っててあそこに住んでたということは公安の人間だったんだろうか?

今作は前作よりもとにかくバイオレンスに塗れてるので、アウトレイジ好きな人は好きかもしれんなあ、と思いましたとさ。
バズ

バズ