きゅうげん

search/サーチのきゅうげんのレビュー・感想・評価

search/サーチ(2018年製作の映画)
3.6
全編デスクトップ上で繰り広げられる推理劇。
SNSのフレンドからビデオチャットのやり取りまで、細かいサスペンスが隠された意欲作です。

「パスワードを忘れた」の駆使とか、期限切れセキュリティソフトのピッポアップ即消しとか、“友達”追加してるけど友達ってワケじゃない感じとか絶妙にリアル。
コメ欄でのお気持ち表明がいかに空虚か、あるいは過熱報道やネット上のエンタメ的なイメージ消費がいかに軽薄か、また思い出の家族写真や凶悪犯のニュースなどがひとつの画面に同居する、パソコンという媒体の異形さをも建設的に客観視しており、現代の情報社会が持つグロテスクな側面に肉薄する作品といえます。
また「子供がどこで誰と何をしてるかわからない……」という恐怖のモチーフについても、そんなデジタル・ネイティブ時代とパーソナルな家族的成長とをうまく溶け合わせている印象です。


まぁ「フリー素材って割と分かるだろ!」とか「そんなに使うならブクマしとけよ!」とかツッコミたくなるところも。
犯人サイドについても「いや25ドルちょろまかすって、とんでもねぇ親子……」とドン引きしてたら、ネットストーカー&過保護モンペが2500ドルちょろまかした所為の惨事という案の定なオチで、規模感の収束具合がしょっぱい感じがしないではないですね。

ところで、画面上のいろんなニュースをつぶさに確認してゆくと、宇宙人の地球侵略が判明するというイースターエッグがあるらしいです。
……マジで???