akane

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.8
試写会にて。

「全編PC画面」
ほんまに全編?盛ってるやろ〜なんて疑ってましたが。
全然PCから出てこない。待てども待てども出てこない。マジで全編PC画面。
そろそろ出ないと難しくないかな?あら!そんな手法が!
という驚きの連続。
感心して思わずニヤニヤしちゃう。

しかも、そんな視覚的な真新しさだけではなく、ストーリー展開もきちんと練られているんだから脱帽。
娘の失踪に関する伏線やヒントが序盤からPC画面にごろごろ転がっていて、ラストではきっちりばっちりぴたっと決めてくる。
この緻密な作りのサスペンスを軸に、思春期の子供と親との関係性や現代のネットの闇を描いていく。

父と思春期の娘ってただでさえ関係性の構築が難しいのに、とある出来事がきっかけで、この父と娘は完全にコミュニケーション不足になってしまう。
しかし父はそのことに気づけない。
父としては、メールもFaceTimeも頻繁に交わす良好な関係の親子とでも思っている。
可愛い娘は優等生で明るい子、自分の希望を叶えてきている子、そう思い込んでいる。
そして、娘が行方不明という事態が起きてはじめて、娘が普段どういう様子だったのかを知る。しかもSNSを通して。
PC画面だからこそリアリティたっぷり。
パパの無念さが痛いほど伝わってくる。

この時代だからこそ生まれた全編PC画面の映画。
全編PC画面でこのストーリーの一員になれます。
ぜひ大画面で見てほしい。
そして自宅のPCでも見てみたい。

ネタバレは見ずに鑑賞するのが吉です!


2018年55本目
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