是枝監督が初めて国際共同製作した長編。
フランスを代表する国民的女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)が自伝「真実」を出版。それを祝うために、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)が、夫でテレビ俳優のハンク、娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。母の自伝を読んだリュミールだったが、そこには嘘八百が並べられ、彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝から彼女たちの隠れた真実が浮き彫りになる…
本作も是枝監督の通底する「家族」というテーマを主題に置き、今回は“有名人一家”というスペシャリティを設定。
相変わらず家族というものに普遍的なものはなく、全ての家族の普通がスペシャル!まさに隣の家族すら秘境!(©︎プチ鹿島)を体現している!
だからこそクリエイティビティと共感が世界的に得られ、フランスからオファーがくるし、いつも通りの是枝作品でもワールドスタンダードなのだなと再確認。
間違いない是枝印の「家族とは」映画でした!
最後にどうしてもテーマと関係ないが感じてしまったのは、日本人的な野暮な感想としては是枝監督は樹木希林的な存在への希求としてナチュラルボーン俳優カトリーヌ・ドヌーブをレクイエムとして召喚せざる得なかったのでは?と思わざる得なかったっす。
(好きなセリフとシーン)
・ギャスパーは嫌いか?というセリフ。
ノエかな?笑
・食卓での娘の旦那への手厳しいコメント、あんたのはモノマネだと。
マジでこの食卓は嫌だ…
・チャリティーや政治に熱心な役者は負けたの
スクリーンの上の闘いに負けた人が現実に逃げ込む…という台詞はマジ含蓄ある
・後半の屋外石畳でのダンスシーンがクストリッツァな感じで素敵