かがわ

真実のかがわのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
4.1
確実に今年ベスト5に入るいい作品でした。
内容はすげえストレート。これ日本の映画だったらできないな。親子の理想の形があってそこからズレていたというのがこの映画。基本的に日本で撮られた是枝監督の映画は親子の理想というもの自体が揺らいでいる日本における関係の話。違うからこそできる語り口で、意味があるなぁと。

女優として、とか母として、とかそういう描き方はできるんだけどその間の描き方がたまらなく良い。人間としての迷いだとかそういうのを全部押し込めてコミュニケーションをとっている様を見ると涙が出てきます。
あと、設定としてずるすぎるけど挟まる映画の撮影が最高だった。シーンとしてSFのセットでの緊張感はシーンがシュッと締まる。万引き家族における家族の過酷な現実と似たような「装置」として機能して物語を展開させている。傲慢な態度の中にあった脆さを全て剥き出しにしてしまうという作りが見事。

最後の見上げるシーンで終わってガッツポーズでした。
そんなに伏線回収に躍起にならなくてもとは思った。

これを評価できない人は言語化できる能力がないのです。あとは基本的教養が欠如してるのだ。オズの魔法使いの配役も全てが見事。それこそポエジーが詰まってるよ。感性のない奴らは俺が嘲ってやるぜ。
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