爆裂BOX

リビング・デッド サバイバーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

4.0
サムは元カノにカセットを返して貰う為に渋々パーティに参加するが、雰囲気に疲れ奥の部屋に逃げこみつい眠ってしまう。目を覚ました時、サム以外の人間はゾンビになっていた・・・というストーリー。
フランス産のゾンビ映画です。ジャケットや煽り文句からはサバイバル・アクションを彷彿させますが、実際は派手なアクションシーンはないです。
序盤のサムが目を覚ますと壁には血が付き、誰もおらず、人を探して歩くうちにゾンビと初遭遇するシーンやアパルトマン内の部屋の探索をしていてゾンビと遭遇するシーンの緊張感は素晴らしかったですね。階下からの物音に床に耳をつけて探っているといきなり床板を撃ち抜かれるシーンもびっくりしました。そこから描かれるのはゾンビとの戦いではなく、アパルトマンに閉じ込められたサムのたった一人きりのサバイバルです。ゾンビとの派手な攻防を期待した人はがっかりするでしょうが、アパルトマン内をランニングしたりドラムを乱打したり、音楽に合わせてコップなどをたたいて演奏したり、エレベーターに閉じ込められたゾンビ相手に一人で会話したりと世界が滅んだ後の世界でたった一人生き残った男の孤独な生活が丁寧に描かれていて個人的には楽しめました。猫を見つけて危険を顧みず外に飛び出していく所は「なんかわかる」と思っちゃいましたよ。ドンドンと精神的に追い詰められて「ゾンビであるのが普通でただ一人人間の自分が異常なんだ」と思っちゃう所も。
終盤女性生存者が登場しますが、「あんな重傷負ったのにやけに回復早いな」と思ったら・・・まあ、ショックだったんでしょうな。
ゾンビはダッシュゾンビですが、カクカクした動きが「新感染」のゾンビを彷彿させました。メイクがなんかやけにリアルな気持ち悪さを感じさせましたね。
ラストは投げっぱなしな感じですが、ゾンビ映画ではある意味定番かな。しかしまた生き残っちゃったけど、彼はこれからどうやって生きていくんだろうか・・・
ジャケットから想像するような派手なサバイバル・アクションを期待すると外しますが、「アイ・アム・レジェンド]の前半の様な滅んだ世界でのぼっちサバイバルが好きな方(いるのか?)楽しめると思います。