Eirain

ゴーストライダーのEirainのレビュー・感想・評価

ゴーストライダー(2007年製作の映画)
2.0
私にとってのニコラス・ケイジは、『フェイス・オフ』や『コン・エアー』といった'90年代後半~2000年頃の作品のイメージが強いが、本作『ゴーストライダー』のイメージが強い人も多いのではないだろうか。マーベルヒーロー原作ということで知名度が高く、また、キャラクターイメージが残りやすいため、本作のイメージが強く残るものと察する。個人的に本作(と、『ウィッカーマン』)は、ニコラス・ケイジのイメージが、"ハリウッドスター"から"B級映画スター"に変わったターニングポイント的作品。この頃からイロモノ感が溢れて来てる・・・いや、本当にディスってないから。イロモノ・ケイジ、だーいすき☆

さて、本作の評価だが・・・まー面白くない。

まず戦闘が全体的に地味。ゴースト"ライダー"なのに、なんでバイクに乗っての戦闘シーンで魅せないのか(原作がこんな感じなのかもしれないが)。また、ゴーストライダーと敵側の悪魔(と、その使い魔)との力関係がよく分からない。余裕といった感じで使い魔は単体でゴーストライダーに挑むが、あっけない程簡単にやられるし、やられたことに対して悪魔はそこまで驚いた様子を見せないし。勝って当然なのか凄いことなのか分からないので、どんな気持ちで戦闘を見守ればよいのかわからずモヤモヤする。

あと、悪魔が強大な力を得ることができる"サン・ヴェンガンザの誓約書"について。悪魔・メフィストの息子が、強大な力を得て地上を支配するために手に入れたい、というのは分かる。地上を支配する時機ではないとして、息子を止めるためにゴーストライダーを召喚するのも、まあ分かる。"サン・ヴェンガンザの誓約書"は元々、悪魔・メフィストが手に入れるはずだったもので、先代のゴーストライダーに持ち去られてしまったものなのに、メフィスト自身が奪還しようとしない・・・これが分からない。物語のベクトルを定める重要なポイントなので、この点についての説明がないのは苦しい。

ということで、魅せてくれる場面も追いかけるべき展開もボケボケ。マーベルヒーロー大量映画化の中で生まれた残念な作品の一つと言わざるを得ないだろう。
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