Alskei

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~のAlskeiのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

久石奏が物語を引っ張っていくお話でした。
最初は何やら裏がありそうな演出で惹きつけ、鈴木美玲の件では最初はわざと距離を置かせるような態度で真意を掴ませず謎を作って惹きつけ、オーディションと雨の中の対話で久石奏の気持ちを知り、オーディション結果発表で報われ、コンクールの結果で悔しくなる。
最後に悔しさで死にそうと涙しながら言うくらい本気になってくれたのを見て、悔しいはずなのになぜか何かが報われたような嬉しさでいつのまにか自分も泣いていました。


ここからは適当に思ったことを書きます。
・全体的にはかなり駆け足で進んでいくのですが、だからと言って展開に無理がなく、セリフもすっと頭に入ってくる丁寧な演出の仕事だと感じました。個人的な希望としては、コンクールの演奏が始まる直前の静けさをもう少しじっくり見たかったです。
・冒頭の告白シーンからのOP入りまでの流れ、真面目な始まり方から打って変わって笑わせに来てるような演出と音楽で完全に掴まれてしまいました。あの瞬間きれいに現実世界と切り離されて物語に入り込めたんだと振り返ってみて初めて気づきました。こんなに綺麗にのめり込んだの初めてかもしれません。
・あのiPhone Xで録画したような画面はどういう意図があったんでしょうね。あとカットの切り替わりとともにセリフを出すスピーカーを切り替えるのはセリフへの集中力を維持する良い演出だと思いました。
・意外と撮影処理が薄くて見せ場のシーンだけいつもの濃いめな仕上がりで省力化を図っているなと感じました。ただ、最後のコンクールのシーンも塵までは無かったような気がします。
・リズと青い鳥の話がうろ覚えだったので、コンクールでの演奏シーンでカメラがぐるぐる回るとき何か思い出してくれよ〜という意思だけ伝わってきて特に何も思い出せず通り過ぎていくような残念な視聴体験をしました。
・ぐるぐる回るカット、基本はアオリの構図か望遠だったのですがたしか1カットだけみぞれのオーボエを俯瞰で回してて、しかもあのオーボエの複雑な配管を記憶する限り全く破綻なく描ききっていて、かぐや様は告らせたい3話EDのときのような興奮を覚えました。
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