こたつむり

スター・ウォーズ/帝国の逆襲 特別篇のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.7
娯楽映画における神話的存在。
ビッグバンは星を生み、育み、そして伝説を作る―。

正統派の続編でした。
脚本、演出、映像技術、美術…全てにおいて深みを増し、観客の想像に委ねていた部分に現実感を持たせ、王道の展開を貫いていました。続編とは斯く在るべし、という良い見本ですね。

特にキャラクタの造形においては。
自由人であるハン・ソロを反乱軍と結びつける為の“動機付け”が良いアクセントとなっているのですな。ハリソン・フォードの存在感と相俟って主役を食らうほどの活躍でした。

また、敵方であるダース・ベイダーも。
過剰なまでの悪役ぶりを徹底しています。しかも、これがクライマックスへの伏線となっているところが秀逸なのです。近代における魅力的な悪役と言えば、やはりこの御方が元祖なのですな。

しかし、その反面。
主人公であるルークに惹かれるものがありませんでした。特にヨーダの制止を振り切って飛び出す場面においては、勇気ある決断というよりも蛮勇。もうちょっと脊髄反射的な言動を控えないと、あの圧倒的存在感には立ち向かえないと思うのですが…。それは次回のお楽しみなのですかね。

まあ、そんなわけで。
公開当時に熱狂を生み、今もその熱が収まらないのも納得できる作品でした。だからこそ、公開当時の衝撃を味わいたかったと痛切に思います。本作以後の作品に多かれ少なかれ影響を与えているのは周知の事実。今更ながらの鑑賞は、歴史書を紐解くような形を避けられないので寂しい限りなのです。

特に物語や舞台設定については。
続編として完成度が高くなったがゆえに、前作では見過ごすことができた粗い部分が気になりました。帝国軍の戦略とか、反乱軍の人材不足とか、二足歩行型戦車の非現実さとか…。姫様については勝気というレベルを通り越して(以下自粛)。

ただ、それでもですね。
どれだけ歴史を重ねても朽ちずにキラキラと輝いている存在もあるのです。それはR2D2。丸くて可愛いフォルム。鳴き声のような言語。それなのに戦闘機に乗れば有能。相方であるC-3POとのコンビも鉄板。うん。“際立った個性を持つキャラクタは古くならない”という顕著な例だと思います。いいよ、いいよ。最高だよ。ナデナデしたいよ。

To be continued…→→→『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』
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