もりゆうき

愛がなんだのもりゆうきのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.0
誰しも『この曖昧で心地の良い関係が、曖昧なまま続けばいいのに』って思うものなんじゃないだろうか。

マモちゃんがクズだという話を色々なところで聞いていて臨んだんだけれど、マモちゃんがクズだっていうところがあんまりわかんなかったのが正直なところ。
ナカハラくんだけが聖人のように葉子を思って離れていったけれど、そんな愛こそが素晴らしいなんてことでもないし、『幸せを願っているよ』なんて言葉で片付けられるものでもない。

マモを思い続けるテルコも、すみれさんに憧れてるマモも、ナカハラに目を向けない葉子も、すみれさんだって、『答えを出した瞬間に壊れてしまうなら、曖昧なこの関係がずっと続けばいいのに。』と思っていて。
じゃあ誰がクズなんだ?っていう話でもなくて。
みんなどこかで『愛ってなんだ?』って思いながら、『愛がなんだっていいじゃないか』って、そう思っているんじゃないのかな。って。

救われたとかいう感情にはならなかったけど、この感覚って異常じゃないんだ、というか。そういう意味でなんかちょっと安心した気持ちになった。
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